まったり、のんびり、綴っていきたいなぁ。。人生もw
バス174(2002)
2007-02-25 Sun 18:01
ブラジルのスラムには貧困層の下にさらに階級が存在している。リオデジャネイロのストリートの”見えない子供たち”。その一人が暗闇から浮かび上がる・・・
バス174 スペシャル・エディション バス174 <ONIBUS 174>2002年ブラジル(119分) 監督:ジョゼ・パジーリャ 共同監督:フェリッピ・ラセルダ 製作:ジョゼ・パジーリャ,マルコス・プラード 撮影:セーザル・モラエス,マルセロ・グル 音楽:ヤン・サウダーニャ,アロイージオ・コンパッソ 〔ジャンル:実話/ドキュメンタリー/ドラマ〕

【概要】2000年にブラジル・リオデジャネイロで発生し、テレビの生中継でブラジル全土が釘付けになったバスジャック事件を追った衝撃のドキュメンタリー。当時のニュース映像と人質・関係者のインタビュー、そしてバスジャック事件の犯人「サンドロ」の生い立ちを織り交ぜながら事件の背景を詳細に追っていく。

冒頭、リオの街が空撮で映し出される。
綺麗な町並みの中にスラム街が。そしてまた綺麗な街へ。
問題はすぐそこに。満足な生活を送っている人間の身近に存在している。

犯人のサンドロは「ストリートチルドレン」と呼ばれる路上生活をしている子供たちの一人でした。幼い頃、母親を目の前で殺された事がきっかけです。

彼らは麻薬や食料を買うため強盗等悪行も行います。
住民たちからは当然邪魔者扱いされ、そして人間扱いされず「見えない子供」と呼ばれています。
無視されるのはまだ良い方で、こんなやつらは「排除すればよい」と思われています。

ある日、チルドレンが固まって路上生活をしている教会前に男たち(警官達と思われる)がやってきて銃で無差別に殺しまくる 「カンデリア教会虐殺事件」 が起きます。サンドロはその中辛くも生き残りました。

サンドロは、殺された母の事もこの虐殺事件の事もずっと恨みながら生きています。バスジャックも生きるための強盗も、絶対に間違っている。
しかし、サンドロ二世はブラジルにあふれ返っているのです。

この作品からは、ブラジル国家・警察がいかに澱んでいるかがよく窺えます。
様々な社会問題が浮き彫りになりますが、特に警察の体制のお粗末さには驚きます。
ブラジルでは、他に働き口が無い場合に仕方なく月収200ドルの警官になる人が多いらしい。
様々な訓練も受ける目的が全く解らないままだそうです。

同じブラジルの映画、「シティ・オブ・ゴッド」でも警察が簡単に賄賂を受け取るシーンなど ありましたが、問題の背景となる社会的病理という意味ではこちらのドキュメンタリーの方が当然リアル。
(スラムの荒んだ光景はシティの方が激しいですが)

ブラジルといわれるとサッカーやリオのカーニバル等思い浮かべちゃいますが
シティ〜で描かれるスラム街での問題とあわせて考えると、(シティ〜は昔の話ではありますが)ほんとこの国は絶望的なのではないかとさえ思ってしまいます。

日本人の私たちがこれを見てどうするという事ではないかもしれません。
それでも一つの事実、実態として見ておきたい作品だと思います。
犯罪連鎖の問題は大なり小なり私たちにも関係するものでしょう。

【受賞メモ】
●2002年リオデジャネイロ国際映画祭  ・国際審査員賞 
                          ・最優秀ブラジル映画観客選出最優秀ドキュメンタリー
●2002年サンパウロ国際映画祭  ・国際審査員賞
                      ・最優秀ドキュメンタリー
                      ・ドキュメンタリー映画新人監督賞
●2003年ロッテルダム国際映画祭 ・国際アムネスティDOEN賞
●2003年コペンハーゲン国際ドキュメンタリー映画際 ・アムネスティ賞


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