![]() ![]() <LES YEUX CLAIRS> 2005年フランス(87分) 日本公開:2007年9月1日 監督・脚本:ジェローム・ボネル 製作:ルネ・クライトマン 製作総指揮:ベルナール・ブーイ 撮影:パスカル・ラグリフール 出演:ナタリー・ブトゥフ,ラルス・ルドルフ,マルチ・チッティ,ジュディット・レミー,オリヴィエ・ラブルダン,ボーレット・デュボスト 他 繊細そうな映画ほど劇場で「観る体制」状態で味わったほうがセンシティブに捉えられる。という考えのもと、悩んだ末劇場鑑賞にした映画の一つに加わる。 結果はまぁ行っといてよかったと思えたけど、正直、ぼちぼち。というレベルかなw 兄夫婦と同居している少し知能の低い(?)主人公ファニー。両親は既に他界。 近所の子供たちにもからかわれ、 優しく接してくれる兄も奇行の多い彼女に正直少し手を焼いている。 ある日兄嫁のある秘密を目撃してしまったファニーは心を痛める。兄に打ち明けるわけにもいかず兄嫁に当たるがそのひと悶着をきっかけに彼女は家を飛び出し一人車で父親の墓を探しにドイツへ向かう・・・ 人とうまくコミュニケーションを取れないのは、ファニーが病気だからって事で済ませていいのですか・・? だって、言葉の通じない相手と無言のままで心を通わせられるじゃないか・・? 生活をする上で人が持つ感情には余分な固定観念がかなりあるんだろうなぁ、なんて改めて考えてしまう。 もちろん、ずっと一緒に生活すればそりゃ大変なんだと思う。 ドイツ人男性はほんのひと時だけだからかもしれないけど、 彼女がちょっと変わってる子なのは気付けるはずだ。 それでも、心の美しい部分を汲み取ることはできる。 ファニーの人生のごく一部のとある素敵な時間を抜き取っただけといえるようなさりげなさではあるけど ナイーブな まぁまたラストについては好き嫌いが出そうな気もするけどね。 それにしても、クラシック音楽と木々の緑とせせらぎってどうしてこうもしっくりはまるんだろう・・ そういえばこの監督さん、ちょうど先日次の作品ひっさげて東京国際映画祭で来日してたようですねぇ。 【受賞メモ】 ◆2005年ジャン・ヴィゴ賞 ![]() |
撮影:アンソニー・ドッド・マントル 音楽:アレックス・ヘッフェス 出演:フォレスト・ウィッテカー,ジェームズ・マカヴォイ,ケリー・ワシントン,ジリアン・アンダーソン,サイモン・マクバーニー 他 〔ジャンル:ドラマ/サスペンス〕 スコットランドの医学学校を卒業したばかりの主人公ニコラスは、そのまま地元にいれば人生のレールも安定したものだったろうがそれを捨ててウガンダの小さな村の診療所で医療に携わることに。 ちょうどそのころ大統領になったばかりのアミンとふとしたきっかけで知り合い、アミンに気に入られて彼の主治医に任命される・・・ 『事実に基づいた話』という事で実在したウガンダの大統領イディ・アミンについて映画化したもの・・ ・・ではあるけど、ストーリーの軸はスコットランド出身の若き医者を設定してそちらから描かれるものなので、独裁者として悪名高かったアミン大統領の行いそのものを詳細且つリアルに感じようとすると、少し肩透かしを食らう可能性あり? 志は確かに高かったものの人生経験未熟な若者がいろんな意味で浅はかだった自分の考え・行動によりドツボにはまってしまう話−−を中心にしてみると十分面白いですよね。 テンポもいいし、カメラワークもなんだかいいし、アミンの迫力もあるし。 それに、世界情勢に無知な私のような人間にとって情報吸収の役割は大きく果たしてくれる(笑) 非道な行為をしたとかなんとかその程度しか知らなかったけど、アミンの二面性とか残虐性とかがどんな感じだったのかなど。 アミン役の人は本作でかなりの数の賞をとってるらしく、それは十分納得ですが、個人的にはニコラスの役もかなり良かったと思うんですけどねぇ。 良くも悪くも若さがあり、正義ももち、未熟さももち、そんな男性がかつて味わったことのない恐ろしい世界に足を踏み入れてしまった事への葛藤等がリアルに感じられるものでしたけどね。 それにしても彼が吊られるシーンはマジで痛かったー・・・(>_<) んで、あれであそこまで復活できるんかいっ ![]() 【受賞メモ】 ・すべて2006年度 ◆英国アカデミー賞 :・主演男優賞(フォレスト・ウィッテカー) ・脚色賞 ・イギリス作品賞 ◆アカデミー賞 :・主演男優賞(フォレスト・ウィッテカー) ◆全米批評家協会賞 :・主演男優賞(フォレスト・ウィッテカー) ◆NY批評家協会賞 :・男優賞(フォレスト・ウィッテカー) ◆LA批評家協会賞 :・男優賞(フォレスト・ウィッテカー) ◆ゴールデン・グローブ賞 :・男優賞(フォレスト・ウィッテカー) ![]() |
ハネケ監督による近未来ドラマ。 近未来というとSFをセットに想像する方もいるかもしれないけど サイエンスフィクションがないと近未来が描けないわけじゃないですしね。 本作も先端技術や時空がらみは登場しません。 同監督作では『ピアニスト』に続き主演となるイザベル・ユペール。 (ピアニストのような個性豊か(笑)な役どころではありませんw) ある家族が山奥の別荘に着くと、そこには見知らぬ家族が住み着いていた。その家族はこともあろうか別荘の持ち主である主人公家族に銃を向け、出て行けと叫ぶ。そして、唐突に、銃を撃ちこんだ・・ 夫を殺され、妻と幼い娘と息子3人は途方に暮れつつ街を彷徨うが、街や人々の様子はすっかり変わり、さらなる災いも降りかかるのだった・・ 家も何も失い路頭に迷った人々が荒れ野原を彷徨い、唯一の希望と思われる列車を求め、線路を辿ってとある駅に集まってくる。 次の列車はいつ来るのか、いや、本当にここを通るのかそれすらわからない。 食料も物々交換で恵まれる僅かな配給だけが頼りとなる。 見知らぬ人々が寄せ集まり、不安な日々を送り、苛立ち、悲観し、疑心暗鬼になり、時に衝突する。 ギスギスとした空気が充満し、絶望が見え隠れする日々の中あらわになるそれぞれの人の本質・・ 舞台設定がどんな風になろうとも、そこに描かれるのはどこででも誰でも起こりうる人間の姿であり、我が身に置き換えて考えさせられずにいられない。 大人でも耐えられない世界に、限界となった子供の感情が向かった先は・・ それにより大人達が何かに気付き、そして、あの列車の風景へと続くと思いたい。 この場所がどこなのか。主人公家族のそれまでの世界(生活水準)との違いに疑問も付きまとうものの、それはまぁいいとして。と置いておけるだけの深い世界がございます。。 ![]() |
測量士「K」は仕事の依頼を受け、遠路はるばるその村までやってきた。 そこは全てが「城」を基準に動いており、独特の規律を持っていた・・・ 測量士「K」が、一般常識の通用しない異世界にて自分の職業存在をかけ右往左往する人間心理ミステリーとでもいいましょうか。 前々から一度読んでみようと思っていたカフカの小説、【不条理ワールド】 ハネケ監督作品を観るなら、小説を読んでおかないと一層難しいだろう(笑)と思い、やっと実現させた。 最初から最後まで、小説に対して忠実に作られた作品だった。 極寒の季節の雪深い町並み且つ閉鎖的な感覚をうける村の雰囲気、そしてフリーダもろもろの登場人物も、私個人のイメージとあまり違和感なく、素直に受け入れられた。 小説はどうしても自分の中でのイメージが膨らみすぎるもので、その映像化となると当然人によって違いがあっても可笑しくないと思う。 でもこれに至ってはそういう事は全く気にならなかった。 世界観はすごくいい感じだった。 話しは要点をかいつまんで描き、場面転換には短いながら多くのブラックアウトが使用されている。 もし原作を知らなかったら何が言いたいのかよくわからなかったかもしれない(笑) けど、異次元ワールドにいきなり迷い込んでしまったKの困惑と孤独、そして近そうではるか遠い「城の存在」は改めて強く感じさせてくれる。 ちなみに、ラストも未完の原作そのまま「カフカの草稿はここで終わっている」として、ブッツリ終わっている形です。 映画に対してもカフカに対しても素人ながらずうずうしく言わせてもらうと、ハネケ監督がカフカの不条理世界を取り上げるのはごく自然な気がした。 ![]() |
裕福な家庭に育つ主人公の少年。彼の部屋には高価な家電機材が並び、 終始ビデオカメラで辺りを録画し、ホラーやグロテスク系のビデオ等を好んで見ている。 とりわけ知人宅にて自らが撮った豚を殺す映像が好き。 友人もおり、クラブにも行き、ごく普通の少年と変わりない彼が ある日偶然会った少女を殺してしまう・・ 「感情の氷河化」3部作の一つ。 例の如く(?) 淡々と、少年の行いとそれを知った家族の対応について描かれる。 「どうかと思って・・」と銃を撃つ。 大人しくして欲しくて、さらに銃を撃ってしまう。 その後も何食わぬ顔で、食事を摂る。 両親にその事件を撮ったビデオを見せる。 また、物語の筋とは別に、彼の見るTVから様々なニュースが垂れ流される。殺人、内戦、etc・・ 彼の心境がどういうものだったのか、そして、そこにいたるまでの原因はなんだったのか。 本作もその他の監督作品と同様にそんな所は描いていない。 何がどうなって、こうなった。――過程を突き詰めたところで、本当に 全てを先に対処する事なんてできるだろうか。 そんな押し問答をまたしても自分の中で繰り返してしまう。 とにかく、あまりに寒々とした少年の態度が本当に怖い。 そしてまた大きな問題が、両親の行為・・・ もし自分だったらどうするのだろう・・ まるで他人事のような息子に語りかける父親の「愛してる」の姿はあまりに痛々しい・・ 監督がよく口にする「罪」という言葉。 人間全てが同じ様な罪を自身の中に持ち合わせているのかもしれない。 それがいつ出るかもしれない。そんな怖さも感じる。 常にビデオを撮り、ビデオで親に告白し、事が済んだら何事もなかったかのように家族一緒にビデオを鑑賞し、最後はビデオを意外なところに提出する・・ まさに、「ベニーのビデオ」づくし。 最後はほんとに、ベニーのいびつな思考回路も恐ろしいが、呆然と立ち尽くす親の姿が辛かった。。 同情する訳じゃないけど、当人のベニーによって。なのはあまりにもではないですか・・。 主役の少年が後のハネケ作品、「ファニーゲーム」の子だったとは、教えてもらってなければ気づかなかったと思う・・^_^; 【受賞メモ】 ◆テサロニキ映画祭:国際批評家連盟賞 ![]() |
仮出所したばかりの男、コレイの車のトランクルームに、護送中の列車から脱走した男ボーゲルが偶然忍び込む。コレイはそれに気付きながら彼を匿う。 そんなコレイに恩を感じたボーゲルは、逆にコレイの危機を救う。 かくして見ず知らずの男達はその後の行動を共にする事に・・ 初めて本作を手に取ったきっかけは、渋そうな雰囲気とそしてアラン・ドロンものだったから。当時はメルヴィルの名も知らず『フィルム・ノワール』がいかなるものかもよくわかっていなかった。(この認識は今でも大差ないけど) そんな無知なおいらでも、直球ド真ん中でガツンとくらわされた。 今でも大好きな作品の一つ。 前半、コレイ(A.ドロン)とボーゲル(ヴォロンテ)が出会い、煙草をふかし、そして車に乗り込むまでのあの間! そこだけでもどんだけ渋いねんっっ! カラーでありながら、モノクロに感じるそれと同様の渋さがかもし出され、BGMもほとんど無い中、静かに、淡々と男どもの魅力が溢れかえる。 メインの二人以外にも、 コレイに「貸し」の分として強引に獲られた大金を取り戻そうとするリコ。 ボーゲルを再び捕える事に執念を燃やす刑事マッティ。 元警官で今は落ちぶれているものの射撃の名人で名の通ったボーゲルの仲間ジャンセン。 この3人がさらに絡んで物語を盛り上げる。 特にジャンセン、これまた渋い。 犯罪物として展開のスリリングさについてはそれほどのものは無いかもしれない。 けど様々な立場の男達がそれぞれの策を巡らし、己を貫き通す雰囲気が溜まりません。 いいなぁ、マジで・・ ![]() |
〔ジャンル:サスペンス/アクション〕 豪華共演にて描かれる、マフィア犯罪映画。 じっくりどっかり腰を据えたジャン・ギャバン扮するシチリア・マフィアのボスと、意欲旺盛な若い泥棒アラン・ドロン。 この二人だけでも個人的には結構満足させられますがw 全体的に、じわじわと静かに渋く迫ってくるというよりは、ある意味ベタ的な感も受けなくもない。 でもそれは適度に誰でも“見やすい”いい意味の要素。 テンポよく展開が運び、色んな見せ場が大なり小なり散りばめられている。 大犯罪を計画・実行していくファミリーの勢いを見る一方、脱走したサルテを追い続ける刑事(ヴァンチュラ)の渋さもまた見所でもある。 十分満足できる娯楽映画ですね。 これも音楽はエンニオ・モリコーネなんだ。 あの、ビヨ〜〜ン、ビヨ〜〜ン、ね(笑) 一度聞いたらもう忘れられないね^_^; ![]() |
超有名な名作『太陽がいっぱい』と同じ監督・主演で作られた本作。 フランス語は判らないので原題の直訳は不明だけど、本邦題は『太陽がいっぱい』にかけたかったと思って当然でしょぉ?w 内容とズレてはいないけど、英題の“愛の檻”だったらもっとしっくり。 マフィアの女に手を出した事で命を狙われる羽目になった女たらしのイケメンギャンブラー。教会に身を潜めていた所、金持ち未亡人に見初められてお抱え運転手となるが、それにはある策略があったのだ・・ 話が進むにつれ各登場人物の思惑が交錯し、展開は普通にそこそこ面白い。 そして、いろんな意味でこの年代のアナログ感が個人的にとても好きなもので、本作でも好きな感覚が少なからず味わえる。 ラストのあの画も、現代の映画ではまずお目にかかれないものだけど、これが何ともいえずバッチリはまり、良いのですなぁ。 個人的には、もしジェーン・フォンダの中にもう少し秘めたる怖さがあればもっと面白いとも思うのですがねw ジェーン・フォンダに限らず、合間にピリリとしたものがあればもっと。ね。 とにかく、女は怖し。 女を操る事に長けてるつもりの男がまんまと女にしてやられる。 油断大敵でございます。 ![]() |
原作タイトルは「オートバイ」、映画英題は「バイクにのる女性」。 まさにそのままの内容であるし、それとは違う邦題も観る前は別のイメージを持ってしまいそうになるけど内容を知ると、やっぱり確かにその通りの作品だ。 結婚している女性が、婚約時から浮気をしていた男性に今日も無性に会いたくなり、レザースーツに身を包んでいかついハーレーに跨り、ドイツに住む彼の元まで疾走する。という話。 その道中、走りながら彼女が思い出したり考えたりする心の中を、映像として描いていく。 体の奥底から沸いて溢れる、彼に一刻も早く触れられたい。抱かれたいという情熱が彼女を駆り立てるも、その間様々な想いがぐるぐると彼女の中を巡っている。 過去の思い出であったり、夫や浮気相手への現在の想いであったり。 愛欲、葛藤、後悔、懺悔、恍惚・・ 個人的にはそれほど取り立てて・・な映画ではあるけど マリアンヌ・フェイスフルの迸る熱い感情、恍惚の絶頂といった様子は十分みものだと思う。 あのラストも、途中で予想できてしまうものの中盤で一旦裏切られる(起こりそうで起こらないシーンが一度用意されている)為、結局ちょっとビックリさせられる。その突然さや激しさも結構それなりなものだし。 この監督は撮影監督出身らしく、本作も撮影は自身でされているようだ。 まぁとにもかくにも、女性がそこまでになってしまう相手が思いっきり魅力的でないと納得は出来ない訳で(笑) でもその相手がアラン・ドロンでしかも知的でちょっと偏屈wな教授で、、となりゃ何の問題も無い訳で(笑) ![]() |
<THE BRAVE ONE> 2007年アメリカ/オーストラリア(122分) 日本公開:2007年10月27日〜 監督:ニール・ジョーダン 製作:ジョエル・シルヴァー,スーザン・ダウニー 製作総指揮:ブルース・バーマン,ハーブ・ゲインズ 脚本:ロデリック・テイラー 撮影:フィリップ・ルースロ 音楽:ダリオ・マリアネッリ 出演:ジョディ・フォスター,ナヴィーン・アンドリュース,テレンス・ハワード,メアリー・スティーンバージェン,ニッキー・カット,ジェーン・アダムス 他 〔ジャンル:サスペンス/アクション〕 手当たり次第の試写会応募当選で一足早く鑑賞。 内容無さそうだけどニール・ジョーダンだしそれなりに楽しく鑑賞はできるかなと思っていたが、ただの単純な復讐劇ではなかった。 人間心理の深いところに潜む要素がひとつとなく取り上げられていて中々内容があった。 原作にほれ込んだジョディ・フォスターが、自分で書いたものしか撮らない原則を持つニール・ジョーダンを直接口説き落としたという一作。 まもなく結婚を控えまさに幸せいっぱいのときに、チンピラに襲われ恋人が死亡、自らも瀕死の状態に陥る。 愛する人を失った絶望から抜け出せず、そして、「恐怖」を知ってしまったことにより以前のような普通の生活に戻れなくなってしまったエリカ(J.フォスター) 警察の煮え切らない対応にも業を煮やし、彼女は恐怖から身を守る為ほとんど衝動的に銃を購入するにいたる。 しかし、一旦銃を手に入れたエリカは自分でも予想だにしない方向に進み始めてしまう・・ 一度恐怖を体験すると、全ての感覚が変わる。 作中でもエリカ自身が言ってたけど、体験してない人にはその怖がりようや、心配度を理解してもらえないんですよねぇ。。。 本作の見所の一つは、銃を持つことにより人間の意識が変わっていくということ。青春映画やブラック・ムービーなどでもよく見られる項目だけど、ほんと普通の常識ある人間でも殺人鬼に変わってしまえるという怖さ。 そして他にも、映画コピーにも謳われている「彼女の行為を許せるか許せないか」という点。 これは非常に難しいところですね・・ 単純に答えが出せないのは、行為そのものだけでなく、その状況に陥ったエリカの複雑な感情を、さすがという演技でジョディ・フォスターが見せてくれるからでもある。 絶望の淵に絶ち、悪を憎み、一人の怖さ、世の中の怖さを知った彼女が「一線を越えてしまう」様子・・・ 作中でも世論の意見が色々と語られています。肯定的な意見が多いのがちょっと怖いところであるけど・・ 物語のラストも、話のくくりとしては微妙ながら(^^ゞ あれも彼女の行為に対する刑事が出したひとつの答えな訳で・・ それにしても、馬鹿なチンピラの行為のせいでこれほどまでに人の人生を変えてしまうって事もですねぇ、何かと肝に銘じていただきたい世の中でもありますねぇ、ほんと・・ ところで、映画が始まってすぐ「LOST」のザイード役の人が出てきたときは嬉しかった(爆)さり気にザイードが一番好きなキャラなのだww ![]() |
20歳のブリュノと18歳のソニア、若いカップルの間に子供ができた。 ブリュノは働いておらず盗み等で日々の生活費を稼いでいる。 ソニアはそんなブリュノに子供の為にも安定した生活を望むが彼にまじめに働く意志はなく、ある日子供が金になると知ったブリュノは自分の子供を売ってしまう・・ 社会からあぶれたある意味似たもの同士の若い二人、ブリュノとソニアが子供のように無邪気に戯れる姿、そして子分(?) の少年とじゃれる姿。 盗みなど悪い行為をする一方、そういったたわいもないことで無邪気にはしゃぐ様も淡々と丁寧に映し出される。 全てにおいて、無邪気すぎるというか、大人になりきれていない青年。 自分の行いの重大さ、罪の重さがわからない。 基本的には優しい人間である事も十分伝わってくるだけに、はがゆく、切ない。 盗みを働く際に服で足がつかないようジャケットを着替える行為も、観ている側にすると彼の世界そのものの切り替えというか、変に意識に残った。 「イゴールの約束」も同監督作品らしいですが(主役の子も同じ子だったw)、何でもかんでも社会問題のせいだけにしたくなくてもイゴールは家庭環境、社会のひずみにのまれた被害者でもあると思わずにいられない。 こちらもやっぱりそういうベルギーの社会問題が背景にあるんだろうけど、本人の意識の問題も重要で・・ とはいえ、犯罪で生計をたてようとすればいくらでもそういった闇商売があり、子供でも簡単に接触できる状況はしっかりと浮き彫りにされている。 目先の金の為唯一の拠り所すら失ってしまったブリュノ。 そうなって初めて自分の罪に気づく・・・ 最後の二人は本当に痛々しい・・過去の全てを償って、救われた未来に進める事を祈らずにいられない・・ 全体的にじっくりと人間描写がされている中、さらに何かを見たり気づいたりする人の表情を長く捉える事で、感情が丁寧に伝わって来ると共にその人物が見ているものが何なのか知りたい気持ちが煽られる事も多かった。 うーーん、じんわり、じんわり、響きますなぁ・・・ 【受賞メモ】 ◆2005年カンヌ国際映画祭 : ・パルム・ドール ![]() |
タイトルやジャケから想像していたイメージよりも主人公の男の子の境遇は切ない設定だった。かと言って、映画全体のテンションが重々しい訳でもない。 大人びているようで純粋な子供心に沿ったようなやわらかなタッチで描かれた作品。 母親は自分が生まれてすぐに家を出、一緒に暮らす父にはいつも、母と出て行った(と思っていた)兄と比較され、そのうち父にも捨てられ、その父は一人自殺・・ そんな少年にそっと手を差し伸べてくれたのは近くに住む食料品店の主人、年老いたトルコ人のイブラハムだった。 家庭に恵まれない少年にとっては、裏通りの娼婦達の方がよっぽど心打ち解けやすく、また、自分を見てくれていると実感でき、様々な事を優しく教えてくれ、手を差し伸べてくれるイブラヒムおじいさんが特別な存在になる事は当然の流れだった。 イブラヒムおじさんにしても、モモの存在はかけがえの無いものであり、二人は本当の家族以上の存在になっていく。 今まで辛い事があっても、こぶしを握り締め我慢していた少年が 終盤おじいさんに言った「怖いよ」という言葉が特に心に残る。 「コーラン」の教えが随所におじいさんの口から出てくるけど、決して宗教の押し付け的な感覚は受けない。 伝わってくるのは、宗派などに関係なく素直に心に響く、人として心に留めておきたい大事なメッセージ。 ちょっと切なくそして温かくもなれる素敵な映画ですねぇ。 このイブラハムおじいさん、アラビアのロレンスとかのベテラン俳優さんだったよぉ。 イザベル・アジャーニも、めちゃチョイ役で出演してたぁ。 原作者の人は、イスラム教だけでなく他にキリスト教も仏教もそれぞれ題材にした作品を書いているそうだ。 それを読んで変に少し嬉しかった。偏っていない証を見たようで。 ![]() |
〔ジャンル:ドラマ〕 単純に若き神父の禁断の恋愛模様が描かれるラブロマンス物ではない本作。 教会や政治の(権力者の)裏の顔が描かれ、製作国メキシコではかなりの物議をかもし出したと言われる問題作。 原作自体が書かれた当時からかなりの問題作として話題となったものらしい。 アマロ神父は将来を確約された有望な若手神父。司教からも気に入られている彼は、メキシコのある小さな町の教会に赴任し、ベニト神父の元でさらに修行をした後はローマでさらなる教育を受けられる筈だった。 しかし、その赴任先の教会で彼はほかの神父たちの様々な実態を見、そして自分自身も美しい少女に抱く感情を抑えきれなくなり、超えてはいけない一線を超えてしまうのだった・・・ アマロ神父の罪を描く上で、まず彼そのものは心優しく善い人間であり、職に忠実だと言うことが描かれる。 そして同時に、瞬間的に困難な物事にもうまく立ち回れるクレバーな一面を持っていることも見て取れる。 そして、彼が徐々に知ることになる教会の持つ圧倒的権力とそれに押し潰される人々。 ラストに向かうまでに描かれるこれらのバランスがよいです。 そして、 マフィアからの汚れた金を病院建設など善い事に使う神父。 教会の規定よりも地域の住民を大事にし、神父職を剥奪されても自分の信念を曲げずに生きる神父。 等々、アマロ神父の禁断の恋を軸に様々な考えさせられる問題が出てくる。 アマロ神父も、少女を愛していたのは本当なんだろう。 でも、 決して最初から大きな野望を持っているタイプでなくとも、一旦その地位が危うくなると、しかも教会の権力を目の当たりにした今ではそれを防ぐ為にどんな事でもしてしまう。 愛の為に今まで長年かけて培ってきたものを無駄にする事は出来なかった。 最後の悲劇にも彼は本当に心を痛めたと思う。でもそこでもまた彼の利己的な知恵でもって自身の身を守る。例え、他人を貶めても・・ この二面性が非常に怖い・・・ もちろん、ここに描かれるアマロ神父の“罪”は、神父に限ったことではない。 ほかの問題も教会だけにあることではない。 結構色々考えをめぐらす作品なんですなぁ。 購入後大分経った今頃になって初めて監督&ガエルのビデオ・コメンタリーを聞いた。 これがある意味面白い。シーンの解説だけでなく、作品の内容が内容だけに教会や神父に関する彼らなりの考えが色々と語られる。 キリスト教に詳しくない私にとっては様々な成り立ちも勉強になった。 ![]() |
出演:ガエル・ガルシア・ベルナル,ロドリゴ・デ・ラ・セルナ,ミア・マエストロ,メルセデス・モラーン,ジャン・ピエール・ノエル 他 〔ジャンル:ドラマ/青春〕 原作はチェ・ゲバラ本人執筆の『モーターサイクル南米旅行日記』 チェの友人アルベルト役を演じるロドリゴ・デ・ラ・セルナは、チェ・ゲバラとは“はとこ”の関係にあたるそうですね。 チェ・ゲバラがキューバの偉大な指導者となる前、医大生だった頃に親友アルベルトと二人でノートン500にまたがり南米大陸横断の旅行に出た時の物語。1952年のこと。 20代の二人の青年が多感な時期に何を見、何を感じたのか。 旅を通して精神的に成長していく様を丁寧に描いています。 もちろん、革命家「チェ・ゲバラ」の姿はまだここにはなく、でも、その彼を形成した基というのは何だったのか、想像するに足る物語であり、 また、そういった事を抜きにして若き青年の成長と友情を描いた青春ロード・ムービーとしてもとても充実した内容ですね。 じわじわと、彼らの体験する世界が、心動かされるその様が、こちらにも伝わってくる。 もっともっと世界を知りたい。そんな思いで始まった旅行も、終えてみれば二人共の今後の人生を左右する物となっていた。 後にエルネストはアルベルトに「民衆の心の医者になるから医療は行わない」と言って病院をあとにしたそうで、アルベルトは今でもその言葉を思うと胸が熱くなるそうだ(特典インタビューより) この映画のコレクターズ・エディションにはもう一本、現在80歳を超えたアルベルトと共にこの旅を振り返る「トラベリング・ウィズ・ゲバラ」というドキュメンタリーが入っている。
スタッフのこの作品に対する情熱もすごく伝わってくるし、可能な限りエルネストとアルベルト、そして彼らを尊敬する人々に敬意を払い、事実に忠実に再現しようとしているかもよくわかる。 そして、なんといってもアルベルト・グラナードの存在と記憶力と発言は興味深い。 このドキュメンタリーそのものも面白いし、これにより「モーターサイクル・ダイアリーズ」が一段と好きになる。 【受賞メモ】 ◆2005年アカデミー賞:・主題歌賞 ![]() |
〔ジャンル:ドラマ〕 主演のセシリア・ロスが、夫である監督の前であの行為を行う・・ 監督もよくこの主役に嫁を使うもんだ・・ と、一般人にはこれまた変に感心してしまう作品でもありまして(笑) 過去に酷い体験を受けてしまったが故、人を普通に愛することが出来なくなっている主人公の女性。 彼女の趣味は、敏感な聴力でもって性欲を満たすという事。 見知らぬ男女の営みを隣室で聞きながら、一人で事を成す・・ とにかくセシリア・ロスの迫力がすごくて、性欲を満たすその裏から彼女の隠された苦悩というのがギシギシと伝わってくる。 後半まではずっとそれにかなり圧倒された為、逆にガエル演じる青年が関わる真実が発覚してから少し肩透かしを食らったような感じを受けるのは私だけか。 声をきっかけに、姿を知らないまま特別な感情に陥ってしまったカルメンとグスタボの真実は愛の行方という意味ではとても切ないものだけど、(だから惹かれあったのは運命ともいうべきなんだろうけど) それを知ったグスタボの困惑と辛さもなんとも言えず切ないけども、 あれだけ苦しんでいたカルメンのテンションというか立ち位置というか、ラスト付近には私一人置いてけぼりを食った感じがしてしまうのでした。 そしてそれでもDVDを買っている自分が自分でちと怖いw ![]() |
〔ジャンル:青春/ロマンス/犯罪〕 レオス・カラックス監督によるアレックス三部作の2本目なる作品。 アレックス(カラックス監督の本名)を演じるのは身長も誕生日も監督と一緒のドニ・ラヴァン。 ヒロイン役には監督の当時の恋人でもあったジュリエット・ビノシュ。 ハレー彗星の接近と、愛の無いセックスをすると感染する「STBO」という死亡率50%以上の病気が話題となっているフランス、パリ。 ある日地下鉄で男性が死亡。その仲間達は自殺ではなく金の返済を迫るアメリカ女グループの犯行ではないかと疑うと同時に、自分達も金を返さなければ同じ目にあうと不安になる。 そこで、ある製薬会社からSTBOに効く唯一と言われるワクチンを盗み一儲けしようと企む。そして、それを実行する為、亡くなった男性の息子アレックスの手先の器用さを買って仲間に誘うのだった。 独特の映像、世界観。これだけでも結構堪能できる。 未だに「ボーイ・ミーツ・ガール」は観た事ないけど、ポンヌフの恋人よりはこの作品の方がとても好きだ。 繊細な感情の描写。 “体現”の凄みを改めて感じさせてくれるドニ・ラヴァン(顔はどうしても好きになれないが笑) ジュリー・デルピー演じる女性は切ない役だけどあの透明感とかか細さといった雰囲気、そして純粋さがとても美しい。反して執拗さというものも変に似合うのだ。 そしてこのJ.ビノシュは本当に可愛い。個人的には女優としてどうこうはおいといても顔そのものはあまり好きではないw でもこの彼女はとてもいい。彼女を見直すためにたまにこのDVDを引っ張り出す、というのは云いすぎか^_^; 印象的な映像やシーンと共に、どう表現すればいいかわからない不思議な切なさが心に染み渡る、余韻のある好きな映画の一つ。 【受賞メモ】 ◆1987年ベルリン国際映画祭 : ・アルフレード・バウアー賞 ◆1986年ルイ・デリック賞 ![]() |
ジャック・タチ監督自らが演じる有名な“ユロ”作品。 少年「ぼく」の父親は大会社の社長。何不自由ない生活を送れているが親子仲良い訳ではなくて、 「ぼく」が好きなのは母の兄の面白くてノリの合う「伯父さん」(要は、レベルが一緒なのだww)。 彼は定職もなく、自由にお気楽に暮らす人。 そんな伯父さん“ユロ”は「ぼく」の父の計らいでその会社の社員になるも、やっぱりそこでもドタバタをおこしてしまう・・ スラップスティックとまではいかないかもだけど、人間の喜劇的動作をメインにクスクスッと笑いを誘う系のコメディ。例えば無声映画の頃によく見られるコメディの挙動と言えばよいのだろうか、専門用語がわからないけど、とにかくそんなタイプ。実際台詞も少ないのでそういう意味でも無声映画に近い感覚も受ける。 監督はパントマイムをやってたらしい。 コメディは決して嫌いでないけど結構その種の中でも好みに偏りがある私。 本作系についてはちょっと笑えない事が多い、寂しい人間(笑)なのだ。 でも冷笑する訳でも無くw映画そのものが面白くないわけでもないのよw こんな私でもほのぼのさせられるさり気にステキな映画w 冒頭の画や犬の映像、とても好きな雰囲気だし、とにかく一番印象的なのは「おしゃれ度」だ。 近代的モダンな「ぼく」の家もステキ(面白い)だし、町全体の配色の妙もしかり、「伯父さん」の古めかしいアパートもどこか可愛くおしゃれで、また「伯父さん」の滑稽な動作が上から下から、流れるように見て取れる構図がとてもいい。 あと最後の、父親の口笛が偶然子供たちの遊び行為と同じ形になってしまい、それまで「伯父さん」にしかなびいてなかった「ぼく」が父親の手を握るところ。いいよね〜。何気に全体もうまーくまとまってくるし。 【受賞メモ】 ◆1958年アカデミー賞 : ・外国語映画賞 ◆1958年カンヌ国際映画祭 : ・審査員特別賞 ◆1958年NY批評家協会賞 : ・外国映画賞 ![]() |
![]() ![]() <EL LABERINTO DEL FAUNO> 2006年メキシコ,スペイン,アメリカ(119分) 日本公開:2007年10月6日 監督・脚本:ギレルモ・デル・トロ 製作:アルフォンソ・キュアロン,ベルサ・ナヴァロ,ギレルモ・デル・トロ,フリーダ・トレスブランコ,アルバロ・アウグスティン 製作総指揮: ベレン・アティエンサ,エレナ・マンリケ 撮影: ギレルモ・ナヴァロ 音楽: ハビエル・ナバレテ 出演:イバナ・バケロ,セルジ・ロペス,マリベル・ベルドゥ,ダグ・ジョーンズ,アリアドナ・ヒル,アレックス・アングロ,エウセビオ・ラサロ,パコ・ビダル,フェデリコ・ルッピ 他 〔ジャンル:ファンタジー/ドラマ/ホラー〕 今回はデル・トロ監督と同郷のキュアロン監督が製作なのね。 冒頭、昔々魔法の国のお姫様が〜。とエピソード紹介があり、これから登場する主人公の少女がその生まれ変わりであろうと予測できる形で始まる。 そして現実の世界に入り、舞台は1944年スペイン。 内戦終結後も政府軍の弾圧とそれに反発する住民ゲリラ軍との抗争は続いていた。 主人公オフェリアは母の再婚相手、政府の将軍の元で暮らす事に。 そこはゲリラ軍対策の基地となっているある山奥の中の住居。 オフェリアは義父となった残忍で恐ろしい将軍を恐れていた。 そこに越してすぐ、彼女は妖精に出会う。 妖精の案内で近くの迷宮に入るとパン(牧神)がおり、オフェリアは魔法の国のお姫様の生まれ変わりで、正式にお姫様に戻るには3つの試練を行わなければならないと不思議な本と道具を渡される・・ 御伽噺のような世界が描かれるし確かにファンタジー。 だけど子供達に勧められるようなかわいらしい世界ではなく、 結構えぐい部分も。 そしてなんといってもオフェリアのラビリンス絡みのエピソードと平行して描かれる、内戦抗争、将軍率いる政府軍の残酷さ。 つい目をそらしたくなるようなシーンも度々出てくる。 全体を通して確かに謳い文句のとおり「ダーク・ファンタジー」だ。 はじめは普通にラビリンスと魔法の国は本当に存在していて・・と思って観ていたけど、最後のほうになると、すべては残酷な現実から逃避したいがためのオフェリアの幻想だったのではないかとも思えて、そうだったとしたらまた一段と切ないね。 幻想だったのか現実だったのかどちらにせよ、あまりに世知辛い世の中と対比して描かれる事で、一層深みが増している事は間違いないでしょう。 というか、ファンタジーの世界が中心というより、別世界があるなら間違いなくそちらへ逃げ込みたくなるほどの悲惨な現実を描いた映画といった言い方のほうがいいのかもしれない。 子供の想いに触れて改めて強く感じる、大人世界の、争いの、醜さ。 オフェリアの母があの不思議な根を暖炉に捨てる時に言う台詞が正に大人が仕方なく到達する感情の処理の仕方で、子供であるオフェリアには到底出来る事ではなく。 大人も深みを感じて鑑賞できるダーク・ファンタジー。 魔法の世界の魔物(?) とかのデザインも甘すぎることなく凝ってて良かったし、最後のあの金色の世界も美しくて切なさがより増します。 ファンタジーというジャンルではあっても内容が深くて、なかなか面白かった。 【受賞メモ】 ◆2006年アカデミー賞 : ・撮影賞 ・美術賞 ・メイクアップ賞 ◆2006年全米批評家協会賞 : ・作品賞 ◆2006年NY批評家協会賞 : ・撮影賞 ◆2006年LA批評家協会賞 : ・美術賞 ◆2006年英国アカデミー賞 : ・外国語映画賞 ・衣装デザイン賞 ・メイクアップ&ヘアー賞 ・特殊視覚効果賞 ◆2006年インディペンデント・スピリット賞 : ・撮影賞 ![]() |
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〔ジャンル:ホラー/サスペンス/ドラマ〕 パンズ・ラビリンスの公開に合わせたかのように前日の5日にシネフィルで放送されたギレルモ・デル・トロ監督作ホラー。 この人「ミミック」の監督だったのかぁ(私は未見だが)。 「ブレイド2」もこの人だったのね。これは単純に最初のブレイドの思い入れが強かったから単体として観れなかったところはあるけどそれなりには面白かった。 この「デビルズ〜」はデル・トロ監督(メキシコ出身)にほれ込んだアルモドバル監督がスペインに彼を招いて製作したそう。 (もちろん、映画のテイストはアルモドバル色がある訳じゃない) スペイン内戦時代(1940年代)の戦争孤児達が暮らす孤児院が舞台。 ホラーといっても、内戦下に置かれた孤児やそれを取り巻く大人たちの人間ドラマに、なくなった者の怨霊を絡ませて描かれた、結構切なく内容もあるお話。 自分の父が内戦で死んだ事を知らぬまま、信頼していた先生に孤児院に連れてこられた主人公の少年。 彼はここに来てすぐ、不思議なものを目にし、体験することになる。 それは幽霊なのか。幽霊ならソレは誰なのか。なぜ自分の前に現れるのか、主人公は恐怖を覚えながらもソレに興味を引かれる。 一方、内戦は一層激化しており、大人たちは不安感が高まっていく。 おどろおどろしいシーンはないんだけど、一人の少年の霊の存在はすぐに登場し、で、それ以降音楽とかカメラワークとかで怖さが強調される。こっち方面ビビリの私にとっては結構怖めだった(^^ゞ 後半はそういう心理的怖さはそんなにないんだけど、いい大人、悪い大人の間で起こる大人の事情により、孤児院はとんでもない事になってしまい、そんな中必死に事態を打破しようとする子供たちがいたいけだ。 悲惨な状況の中、恐怖を克服し、 幽霊になって現われていた少年の想いに触れ、その少年の願いを叶えてやる。 悪いやつをやっつけるところとか、結構リアルである意味えぐいよね(^^ゞ 「幽霊とは何か。〜」という幽霊の定義的語りで始まり、ラストも同じような語りで締めくくる。(ラストはもうひとつの幽霊も存在しているんだけどねw) “死んでもなお消せない、人間の強い想い”がスペイン内戦を背景にしてうまく描かれていたし、悲惨な世の中をこれからもたくましく生きようとする子供たちの姿もしっかり描かれていたと思う。 なかなかいい映画でしたよ。 【受賞メモ】 2002年ジュラルメール・ファンタスティック映画祭 : ・審査員特別賞 ・国際批評家賞 ![]() |
出演: ジャン・レノ,アーリー・ジョヴァー,ジョスラン・キヴラン,ラウラ・モランテ,フィリップ・バス,デヴィッド・カンメノ,エチエンヌ・シコ 〔ジャンル:サスペンス/アクション〕 「クリムゾン・リバー」と同じ原作者・・って最近も聞いたなあと思ったら「ストーン・カウンシル」もそうだった。 夫の顔や夫との思い出を喪失し、時折人間の顔が怪物のように見える幻覚も起きる。その病状に悩むある一人の女性。 その原因は一体何なのか。彼女は夫の勧める精神科医の治療にも疑問を抱き、独自で調べようとする。 一方、パリのトルコ人街では連続殺人犯による犯行かと思わせる無残な死体が3体も発見されていた。 若い担当刑事はトルコ人に詳しいベテラン刑事に協力を仰ぎ、事件を解決しようとする。 映像の雰囲気はいい感じで、思わせぶりな展開をつくりつつ。なんだけど、うーん、どうなんだろ。 面白くない訳じゃないけどね。雑という言い方でいいのだろうか。 特に捜査側のストーリーがね。詳細を割愛しているというにはちょっとお粗末的な描き方? フランスに巣くうトルコ人裏社会の組織だとか、警察組織の中でもいろんな所が絡んできて、結構複雑。 終盤は、あ、そこがそう来るのね。と確かにドンデン返しではある。 ジャン・レノが複雑な展開の中立ち回っているのね。 すがすがしい終わり方だし、それなりに面白いのは面白いけど。 でもうーーんと言わずにいれないのも事実ってところかなw ![]() |
〔ジャンル:ファンタジー〕 “「シックス・センス」「ヴィレッジ」のM・ナイト・シャマラン監督が贈るミステリアスなファンタジー・ストーリー” らしいのですが、そんなにミステリアスだったかぁ(笑) ハートフルなファンタジーではあるけど、正直微妙かもww 昔、人間と海の精は近くに住み、人間は海の精の予言に耳を傾け、いい関係を保っていたが、そのうち欲が出た人間はどんどん内陸部に住処を移し、とうとう海の精との交流は絶たれ、海の精がいくら話しかけようとももう人は聞く耳を持っていなかった。 この前提があってのファンタジードラマなんですが。 別に最後まで飽きることなく観られる作品だとは思いますよ。 ただねぇ、その世界観というか、描くポイントというか、なんというんでしょう。 人のいい管理人さんの優しい心にはきゅんとくるけども。 なぜか見終わった後、「それで?」って感じだったんだよねぇ。 ある意味コミカルにも写る様々な出来事。 それ自体はまったく悪いことじゃないんだけど本当はコミカルに描こうとしてたわけじゃないよ、ね・・? 要は、ストーリー(海の精の名前)の目的は“器”となる人物に出会い予言をする事だったけど、彼女の出現によりそれまで何の協調性ももっていなかったアパートの住人がひとつになり(“器”のそばに自然と必要な人物が集まってくるらしいし)、人間は協力できるんだ。協力すれば何事も乗り越えられるんだという事を云いたかったんだろうと思うのですが。 (海の精の「ストーリー」って名は、助けるみんなで物語を紡いでいくって感じとリンクしていいんじゃないと思った) テーマはいいのですが、すべてが中途半端だったのだろうか。 重複するけど、管理人には少し心打たれるものはあるし観ている間退屈というわけじゃない。 けど、それだけ・・だったかなぁ。 ![]() |
すごく気に入った作品となってるひとつ。 ストーリーそのものについてははっきり言って目新しいというものじゃないかもしれない。 でもその描き方やら何やら、とてもいい感じだった。 とても愛していた妻を亡くし、生きる希望を無くし、堕落した生活を過ごしていたジャイト。気がつけば自動車で壁にモースピードで突っ込んでいた・・ 一命を取り留めた(死ねなかった)彼は、さらに悶々とただ無気力に生きているだけだったが、ある日病院でトルコ系ドイツ人の若い女性から突如求婚される。 その女性は家族の問題等で自殺を図り精神科に通っており、家族から逃げる為にはトルコ系男性との結婚しかないというのだ・・ 「偽装結婚」をしたが故、お互い本当に惹かれあってしまってからも 結ばれる事の出来ない二人の切なさがねぇ、とてもとても、色んな形で表現されていて、よいですよぉ。 切ないから切ない姿。って訳じゃなくて、「情熱」ってものもガンガン溢れてくる作品だと思うのですわ。ほとばしってるね(笑) 哀しい、苦しい想いが激しさとなって現れる事が多くて。 結局二人の関係はああいう形になってしまったけど、 お互い新たな生命力をもらい、人生を再生することが出来た愛の姿が確かにある。二人過ごした時間は決して消え去る事は無い。 あのバスに乗ってる時の表情も、彼女の背中もどちらも多くを語らずよかったなぁ・・ それにしてもこの主役のビロル・ユーネルって前半はかっこいいかどうかどっち?って感じだったけど短髪で登場(ちょっと痩せてもいた?)した時には間違いなくかっこいい!って再認識した(笑) 40代、味わいも兼ね備えて、かなりイケてる! 全盛期のミッキー・ロークの目を丸く大きくしたような感じ・・!? 【受賞メモ】 ◆2004年ベルリン国際映画祭 : ・金熊賞 ◆2005年全米批評家協会賞 : ・外国語映画賞 ![]() |
2000年製作で2006年春公開、そしてDVD発売が2007年9月って・・ 速攻DVD化される昨今、これにはえらく待たされましたよ。 待ちくたびれてご無沙汰振りに発売前予約までしちゃっていたけど。何か? 日本公開も、同監督の話題作品「愛より強く」の抱き合わせで実現したんだろう。多分。 でも最近まで公開されてた『クロッシング・ザ・ブリッジ』よりDVD遅いなんて^_^; ・・って愚痴じゃなくて、感想メモしなきゃ・・(>_<) 物理教師実習生の冴えない男ダニエルは、ある日路面店でアクセサリーを販売するユーリから「太陽のリング」を購入。 このリングを持っていれば、太陽を身にまとった素敵な女性との出会いが約束されると言われ、淡い期待をしてしまったのだ。 「太陽を身にまとった女性との出会い」 これはダニエルに想いを寄せるユーリが自分の為に仕掛けた企てだったのだが、実際はユーリの予想外の方向へと進み、ダニエルは別の女性に一目ぼれ。 ダニエルは女性が旅立ったイスタンブールまで後を追う決心をする。 ところが偶然にもその旅はユーリとの二人旅になる事に。 ダニエルのそれまでの地味な人生からは一転、ハチャメチャ旅行が始まる・・ ハンブルクからイスタンブールまでを旅する、いわゆるロード・ムービーです。 話自体はそれほどたいした事はなく、オチも事前に見えてくる恋愛&青春映画ですが、個人的には好きですよ。ええ。(モーリッツが出てなきゃ買ってないレベルだけど笑) 他の女性に想いを寄せる事を知りつつダニエルの傍にいるユーリの、 陽気な中に見え隠れするいたいけな姿。 ダニエルの鈍感で純でちょいドンクサな様子。 最後までテンポ良く進んで楽しめます。 そしてなんと言ってもやっぱ民族性の濃い音楽って引き込まれるよね。 トルコ音楽がいい雰囲気で演出してくれます。その他のBGMも「愛より強く」同様よかった。 |