フランス俳優豪華メンバーによるフレンチ・コメディ。 舞台はとあるコンドーム会社。 (あの会社、日本の相模ゴムのパリ工場が撮影に使われてたらしい。) マジメだけど人生あんまりうまくいってない平凡な中年男性という主役をダニエル・オートゥイユが。 妻子とは別居、さらに会社をリストラされ途方にくれて自殺しかけた時マンションの隣人に助けられ、それを機にその隣人に自分の人生を相談すると隣人は「ゲイ」になれば会社を追われないと助言する・・ オートゥイユ演じるピニョンはゲイと思われるよう種を撒くだけでゲイの演技はしないけど、でもゲイファッションの彼を見れたり、でっかいコンドームを頭に被る姿が見れたり、他の映画で観たこと無いものが観られる(笑) 彼自身は今までと何も変わらないのに、周囲はゲイだという噂が流れたとたん、「やっぱり!」と納得する(笑) ドバルデューはゲイ嫌いの男の中の男だったはずが、だんだんそっちに走り始め・・!?でこれまたオモロイ(笑) その他ミシェル・オーモンやティエリー・レルミットなんかもいい味出してる。 誰もかれもわざと面白い演技したり笑わそうという意図がありありとしているわけじゃない。いい大人達がマジメにおかしなやり取りをしてるだけ。その按配がほど良いww ある一つの会社の中と、ピニョン家族との小さなコミュニティの中で起こる事件だけども、妙に納得も出来る悲喜こもごもの人間模様がうま〜く描かれてる。 なんやかんやで、最後はさり気に素敵な気分にもなれる、 綺麗に纏まった面白い映画だと思います。 ![]() |
舞台は1800年代後半のロンドン。幼い頃から家族にも周囲にも馴染めず孤立感を感じていた彼女は初めて見た演劇に触発され、女優の道を目指す事に・・ 超イケメン俳優故リバー・フェニックスの妹サマー・フェニックスが主役エスター・カーン。 やっぱり彼女も美しい。線が細い感じの美しさだね〜。 エスターの繊細さと強さと秘めたる熱さがよく出てて良かったと思う。 なんか映像もそんな感じと相まってるっぽくて雰囲気をかもし出してた。 彼女が自分の殻を破り、本当の意味「めざめる」時、そこには人間としても女優としても、大きく成長した一人の女性がいた。 中々、あの舞台のシーンはその転換として納得のいく表現だった。 「そして僕は恋をする」を監督自らリメイクして作ったとのことだけど、 紆余曲折しつつ成長する姿を描く点以外被ってないように思いますが、そういう事でいいのかな^_^;!? 別にリメイクと意識してみる必要は全く無いしいいかw あ、ちなみにこっちの語りは普通の量だったw それにしても、本作でもエマニュエル・ドゥヴォスはモデルとして男性を魅了するという「美人」役なのがまたしても納得いかず(笑) くどいネ私ww ![]() |
何年も博士論文を仕上げないまま、とりあえず講師に納まりつつ生活をしている30代目前のポール(マチュー)が主人公。 彼以外もよく登場する人物は結構多くプチ群像劇な感じで、 いわゆる実年齢に追いついてない精神年齢タイプの青年が 人生の方向性や恋愛などに右往左往しながら成長するというドラマが展開されるんですが。 始まってすぐからナレーションで人物の背景や状況の多くを語り、 それぞれ役名と役者が結びつかないうちにそれぞれの関係だとか何だとかどんどん語られ、 のっけから少し置いてけぼりを食らってしまったのでした(笑) 群像劇では時折ありがちな事ですがw、 さらに本作ではさすがフランス映画と言いたくなるような(笑) 哲学的(とはおおげさか)、詩的台詞が飛び交いw それは私にとっても好きな要素でもあるけど、展開チェンジが速く、その数も多く、そもそも活字を読むのが遅く頭もよろしくない私は、 「おー、渋い」「オシャレ〜」と理解&しびれる暇なんか無くといった状況がしばしば^_^; どの要素も堪能できずじまいで長い3時間が終わってしまったxxx なので(!?) エステル(エマニュエル・ドゥヴォス)の姿を台詞無しにじんわり追ってた所が 一番好きなシーンだな(笑) 本作、本国フランスでは若者の間で口コミで爆発的に人気を博したってのはわかる気がする。 フランス人て哲学好き・詩好き・討論好きと何度か聞いた事があるので^_^; (怪しい情報かも) 描く世界も非常に身近なものであるし。 あ、日本でもすごい好評のようなんで、これからご覧になる方は私の感想無視してOK(笑) それにしても、この監督さんも馴染みの俳優をよく使われるタイプのようですね? 「キングス&クィーン」でもマチュー・アマルリックとエマニュエル・ドゥヴォスはカップルだったし、 今年2008年のカンヌ出品作にも二人をはじめ同じ役者さんたち出てたね。 【受賞メモ】 ◆1996年カンヌ国際映画祭 : ・有望若手男優賞 (マチュー・アマルリック) ◆1996年セザール賞 : ・最優秀新人男優賞 (マチュー・アマルリック) ![]() |
【収録作品(収録順)】 ・1 レイモン・ドゥパルドン 「夏の映画館」 ・2 北野武 「素晴らしき休日」 ・3 テオ・アンゲロプロス 「3分間」 ・4 アンドレイ・コンチャロフスキー 「暗闇の中で」 ・5 ナンニ・モレッティ 「映画ファンの日記」 ・6 ホウ・シャオシェン 「電姫戯院」 ・7 ジャン=ピエール・ダルデンヌ/リュック・ダルデンヌ 「暗闇」 ・8 デヴィッド・リンチ 「アブサーダ」 ・9 アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ 「アナ」 ・10 チャン・イーモウ 「映画を見る」 ・11 アモス・ギタイ 「ハイファの悪霊」 ・12 ジェーン・カンピオン 「レディ・バグ」 ・13 アトム・エゴヤン 「アルトー(2本立て)」 ・14 アキ・カウリスマキ 「鋳造所」 ・15 オリヴィエ・アサヤス 「再燃」 ・16 ユーセフ・シャヒーン 「47年後」 ・17 ツァイ・ミンリャン 「これは夢」 ・18 ラース・フォン・トリアー 「職業」 ・19 ラウル・ルイス 「贈り物」 ・20 クロード・ルルーシュ 「街角の映画館」 ・21 ガス・ヴァン・サント 「ファースト・キス」 ・22 ロマン・ポランスキー 「エロティックな映画」 ・23 マイケル・チミノ 「翻訳不要」 ・24 デヴィッド・クローネンバーグ 「最後の映画館における最後のユダヤ人の自殺」 ・25 ウォン・カーウァイ 「君のために9千キロ旅してきた」 ・26 アッバス・キアロスタミ 「ロミオはどこ?」 ・27 ビレ・アウグスト 「最後のデート・ショウ」 ・28 エリア・スレイマン 「臆病」 ・29 マノエル・デ・オリヴェイラ 「唯一の出会い」 ・30 ウォルター・サレス 「カンヌから5557マイル」 ・31 ヴィム・ヴェンダース 「平和の中の戦争」 ・32 チェン・カイコー 「チュウシン村」 ・33 ケン・ローチ 「ハッピーエンド」 映画を観ている様子を捉えたもの、 物語の前後のイメージが膨らむ、人間関係のドラマの一こまを切り取ったもの、 3分の中に起承転結がしっかり含まれてるもの、などなど、 トータルして、 映画館はごく身近な存在であること 映画館には映画だけでなく様々なドラマが存在すること。 映画館は最高の娯楽を楽しめる特別な場所である事。 監督と映画館との関係(監督個人の思い出) 過去の偉人達へのリスペクト こんな感じかな。 あとは、映画館と言うよりカンヌにまつわるってパターンもいくつかあったかな。 「盲人が映画を観る」って設定がいくつか被っていたね。 当然見る人によって一つ一つ好みや面白みはばらばらだろうけど、 やっぱこれだけ豪華な面々の作品を大量に集めて見せられると、満足感味わえますね。 超ショートショートでも、よく知る監督さんなら「これはあの人だ」ってテロップ見なくてもわかるぐらい個性も十分出ていると思いますよ。 私にとっても好きな監督さん大集合でとっても得した気分♪ それにしても、間もなく発売のDVDはR-12指定だそうですが、 低い設定とは言え何処に制限をかける理由があるのか不明^_^; ![]() |
〔ジャンル:ドラマ/戦争 〕 1940年代ヒトラー政権下のドイツ。 反ナチス運動を行っていた学生グループのメンバー、ゾフィー。 同じく活動メンバーで兄のハンスと一緒に「打倒・ヒトラー」のビラを 大学構内で配っていた所を見つかり逮捕されてしまう・・ ごくごく静かに淡々と、というタイプかと思っていたら BGMとか結構盛り上げ系で作られてたたんだね。 捕まるまでの反政府活動付近などは緊迫さとスリルさを兼ね備えたような感じ、 かといってエンターテイメント性を必要以上に強調するわけでもなく。 ヒトラー政権時代、自由にものの言えなかった一般国民の苦悩と、 政府を恐れず正義を貫こうと、自分たちの信念を貫き愛する祖国を守ろうとした人々を 真摯に描いたいい映画の一つだね。。 公判を受けるまでの接見、そして公判での弁論、 政府とソフィー達のやり取りはかなり見ごたえあるし、一気に時間が過ぎていく感じだった。 最後のシーンは、もし映画館の中で見てたらもっとシビレそうだったな・・ ![]() |
<4 LUNI, 3 SAPTAMANI SI 2 ZILE>2007年ルーマニア(113分) 2008年3月1日日本公開 監督・脚本:クリスティアン・ムンジウ 製作:オレグ・ムトゥ,クリスティアン・ムンジウ 撮影:オレグ・ムトゥ 出演:アナマリア・マリンカ,ローラ・ヴァシリウ,ヴラド・イヴァノフ,アレクサンドル・ポトチェアン,ルミニツァ・ゲオルジウ 他 〔ジャンル:ドラマ〕 学生寮に暮らす20代前半の女性が中絶を試みる。 1980年代後半。チャウシェスク独裁政権時代のルーマニア。 中絶行為は「違法」な手段だった・・・ 中絶する女性とその親友は、中絶場所にホテルの部屋を取り、友人達からかき集めたお金を闇医者に払って堕胎してもらう段取りをつけていた。 不安ながらも、なんとかスムーズにうまくいくはずだと思っていた彼女達。しかし実際には・・ **** これねぇ、中絶する本人の苦悩というより、それを手助けする親友の女の子側をメインに描かれてまして。 それが一層辛さを増すんですよねぇ。 なぜって、中絶する本人はどこか身勝手で頼りなくて、そんな彼女をしっかり者の友人がサポートするだけど、サポートどころか、すんごい犠牲を払ってとんでもない事までさせられる羽目に・・ 違法な事を手助けする為、自分の彼にもその事を打ち明けられず、そのせいで彼氏との仲もギクシャクし始め、 そしてそれをきっかけに彼女自身も恋愛について、体の関係について、彼氏の心構えについて、真剣に考え始める。。 中絶する子もそりゃ大変だろうしわがままにもなるだろうし、ほんと辛いだろうけど、ぶっちゃけムカつきましたよ(笑) 親友の子かわいそう過ぎる。 中絶の規制と、責任の取れない状態で子供を作ってしまう若者。 そしてそれにあやかる闇の商売。そして、友人関係とは。 友人のために、果たして自分ならどこまでできるんだろう・・ 淡々としたノリながら、切羽詰った彼女達の状況がとてもリアルにヒシヒシと感じられます。 かなりガチ!です。 個人的には「ロゼッタ」や「ある子供」などのタルデンヌ兄弟監督作を少し思い出したよ。 最後の終り方も同じ様なノリだった。 いい映画だよね・・・・ って、ラストシーンが終わってぼーっと余韻にふけり始めたその時・・ エンドロール時にかかった歌、なんなんだ、あの音楽はっ(笑) あれは何か意味があるのでしょうか?母国では何かのノリに繋がってるのでしょうか? 私には全くわからず、ただただ、本編のつくりとあまりに違和感がありすぎて、余韻に浸る事もできず、がっくりでしたよ(笑)ほんとに。 気持ちよく捉えられる為にもあの選曲の意図をご存知の方がいらっしゃったら是非ご教授いただきたい(笑) 【受賞メモ】 2007年カンヌ国際映画祭 : ・パルム・ドール 2007年全米批評家協会賞 : ・外国語映画賞 2007年LA批評家協会賞 : ・外国映画賞 ・助演男優賞(ヴラド・イヴァノフ) 2007年ヨーロッパ映画賞 : ・監督賞 ・作品賞 ![]() |
<MISTER LONELY>2007年イギリス・フランス( 111分) 2008年2月2日日本公開 監督:ハーモニー・コリン 製作: ナージャ・ロメイン 製作総指揮: ピーター・ワトソン 脚本: ハーモニー・コリン,アヴィ・コーリン 撮影: マルセル・ザイスキンド 音楽: ジェイソン・スペースマン,ザ・サン・シティ・ガールズ 出演:ディエゴ・ルナ,サマンサ・モートン,ドニ・ラヴァン,ヴェルナー・ヘルツォーク,レオス・カラックス,ジェームズ・フォックス 他 〔ジャンル:ドラマ〕 さてさて、19歳にて衝撃の監督デビューを果たした事で“恐るべき子供”と呼ばれ騒がれたらしいハーモニー・コリン監督の新作。 今まで唯一見た「ジュリアン」は、映像にはメチャ興味を持たされたものの、 その内容にはまったくの置いてけぼり状態だった・・・ でもそのくせこの新作を最初っから興味津々になってたのはなぜだろう。 もちろん、本作の題材とかヘルツォークやドニ・ラヴァン出演とかも興味をもった要因ではあるけども。 なぜなんだろう。。 結局本作を見た後でも、この不思議ないい意味での「なぜなんだろう」が付きまとう事になった。 今回も前回も、言葉で言い表せない何かが印象となって自分の感覚に残るんだよねー・・まぁ、最初の「ミスター・ロンリー」が流れながら、サルの人形(バブルス君と言うらしい)をふらふらさせてサーキットをバイクで走るあの映像を見た段階でかなり心掴まれてしまったんだけど(笑) 主軸のストーリーそのものはジュリアンに比べて全然難解でなかったのは良かった^_^; *** 自分そのものとして生きる自身がなくて、仮の姿に身を投じる主人公。 常にマイケル・ジャクソンとして生きることで、存在を辛うじて感じる事が出来ていた。 そんな折、同じ様に仮の姿で生きる女性、“マリリン・モンロー”に出会い、そして彼女に誘われるがまま、「常にモノマネ」で生きる人々が集うスコットランドのとある村へ向かうのだった・・・ *** 常に“自分以外の誰か”を演じて生きる人々。 あまりに繊細が故、世の中に溶け込む事が出来ないが故・・ということなんだろうね。 でも自分達だけのワンダーランドではなんとか居場所を見いだすことが出来ても、やはりそれは現実ではなくて・・・。 マイケルはマリリンとの出会いでまた違った新しい世界を見、そして彼女自身に興味を覚える事ができたのだけど、逆にとても辛い出来事にも見舞われてしまう。 そして、そこから彼の「彼自身」がやっと始まる。。。 ディエゴ君はばっちりマイケルダンスをこなしてましたよ(笑) 孤独を抱える顔もなかなか良かったよね。 それにしてもドニ・ラヴァンのチャップリンはキショかった(笑) もともとしわしわな顔にあの白塗り^_^; ところで、あのシスター達のパート、意図するところはなんなのか、難しい・・・ 宗教的要素なのか、その要素を借りて何かを訴えているのか・・。 なんにしろ、わからないままあの浜辺のシーンは何とも言いがたい重々しい気持ちになる。。。 救い、ってなんなんだろう。。 映画のテーマや感想と関係なくなぜかそんな気持ちが沸いてきたし。なんなんだほんと(笑) あぁでも、また次回作が出来たとしたらきっと見に行ってしまうんだろうなぁ。。 ![]() |
<ODETTE TOULEMONDE>2006年フランス・ベルギー(100分) 2008年3月1日日本公開 監督・脚本:エリック・=エマニュエル・シュミット 製作:ガスパール・ドゥ・シャヴァニャック 撮影: カルロ・ヴァリーニ 音楽:ニコラ・ピオヴァーニ 出演:カトリーヌ・フロ,アルベール・デュポンテル,ジャック・ウェベール,ファブリス・ミュルジア,アラン・ドゥテー,カミーユ・ジャピ 他 〔ジャンル:ロマンス・コメディ〕 カトリーヌ・フロがとてもキュートだった♪ 色っぽい女優さんだけど、本作では若々しく元気で可愛らしい2児のママ役を演じてた。 愛する夫に先立たれ、女手一つで二人の子供を育て、明るく生きているがその影で彼女の精神を支えてくれていたのはある作家の書く小説だった。そして、その心の恋人、大好きな作家が地元にサイン会で訪れる事に!・・ 彼女が書いた手紙が、プライベートで傷つき自殺未遂を図ったばかりの小説家の心をひきつけ、遠い存在だった小説家が彼女の家に転がり込む事になり・・ という展開。 浮かれた気持ちを表現するのに、ときおり主役の主婦オデットが宙に浮くんですけどねw (ポスターの絵のように) けど実際は地に足のついたしっかりしたとても優しい女性。 超有名な人気小説家がオデットに出会ったことで、それまでの豪勢なセレブ生活とは程遠いけど、でもほんとの身近な幸せというものに気付く。 本作、結構なベタコメディノリなところもあって、私が観に行った時は劇場内かなり笑いもおきてました。(ちょっと年齢層高め(失礼)のマダム系から特に!?) まぁトータルして、心あったまる、小さな勇気や優しさや幸せが心に広がる、 そんなちょっと素敵な映画なんだと思いますよ^^ 私は・・。 観る前から若干自分の好き系ではない匂いを感じつつ、でも面白そうだし評価もいいみたいだし、可愛らしい系でも例えば「アメリ」的だったらアリだし♪なんてノリで足を運んだのさ。 そして。。 映画の良い悪いとは別に、やっぱこんな感じのヒューマンプリティラブコメ(なんのこっちゃ)ど真ん中は、残念ながらせっかくのその醍醐味を楽しめるタチではないので。っちゅうことで・・・・(笑) ![]() |
<LA TOURNEUSE DE PAGES>2006年フランス(85分) 2008年4月19日日本公開予定 (2008年フランス映画祭にて鑑賞) 監督・脚本:ドゥニ・デルクール 製作総指揮:トム・デルクール 音楽:ジェローム・ルモニエ 出演:カトリーヌ・フロ,デボラ・フランソワ,パスカル・グレゴリー 他 〔ジャンル:サスペンス〕 一応「サスペンス」なんだけども。 映像として恐ろしい場面とかスリリングなものがある訳じゃなく。 ただし音楽によって結構それを演出・助長する。 要は何がサスペンスなのかというと、「憎悪」から駆り立てられる人間心理の怖さですよ。恐ろしいです、ハイ(笑) デボラ・フランソワ演じる主人公はどこにでもいそうな、色白で大人しめで、でも美しく。 感情表現は決して大きく無く、淡々とした佇まいであると言うことが 本作の怖さを逆に盛り立てる要素の一つでもある。 配役の時点である意味成功だよね。 この「デポラ・フランソワ」って、あのダルテンヌ兄弟の映画「ある子供」の女の子だったんだね! ぜんぜん気づかなかったよ! ピアニストになる事を夢見ていた少女時代に受けた動揺、屈辱、大きな心の傷が、彼女のその後の生きる目的を変化させる・・ 決して長くない、1時間25分という尺の中で、前半短い枠で子供時代から神経質っぽくてナイーブでって性質もごくごく簡潔にでもわかりやすく纏めて合ったし。 彼女が過去の恨みを抱え、あの家族に近づいてってる事は周知の事実でありながら、それでも主人公のメラニーの感情は、本当は屈折した愛であるのか、それとも復讐のみなのか等と予想をぐらつかされる。 最後の彼女のあの顔を観るまでは、断言できないところだった。 まぁとにかく、常日頃から人への気配りを気をつけないと、どこで誰をどんな風に傷つけているかわかんないよね、ほんと、気をつけなきゃ・・と思わずにいられない(笑) ちなみに、来阪した監督が、「本作は日本で書いた」と言ってました。 ![]() |
<LES FEMMES DE L'OMBRE>2007年フランス(118分) フランス公開:2008年3月5日 日本公開:未定 (2008年フランス映画祭にて鑑賞) 監督:ジャン=ポール・サロメ 製作:エリック・ネヴェ 撮影:パスカル・リダオ 出演:ソフィー・マルソー,ジュリー・ドパルデュー,マリー・ジラン,デボラ・フランソワ,モーリッツ・ブライプトロイ,マヤ・サンサ,ジュリアン・ボワッスリエ,ヴァンサン・ロティエ 他 〔ジャンル:ドラマ・戦争〕 レジスタンス活動に身を投じるルイーズは、ロンドンへと亡命し、諜報・破壊工作秘密機関SOEのメンバーとなった。最初の指令は、ノルマンディー上陸の準備中、敵に捕らわれた英国諜報員を国外脱出させるというもので、彼女は女性たちを選抜し、突撃部隊を組織する。滑り出しは順調に見えたものの、事態は混迷の様相を呈してゆく。パリへ戻らざるを得ない彼女たちに、SOEは新たな指令を与えるのだった・・・。(フランス映画祭パンフより) 第二次世界大戦中、ノルマンディー上陸の準備がなされていた頃・・ それまで何の特殊訓練もしていなかった女性たちが突如重要な秘密工作任務を担う事になる。 しかも、彼女達に知らされていた内容はごく一部、業務完了かと思った時にさらなる指令、その上指揮を出すリーダーが敵に捕われてしまう。 不安に苛まれる中それでも彼女達は残りの任務を自分達だけで果たそうとする・・ どんどん先の指令が下され、彼女達は当初想いもよらなかった深みへとハマっていくのだけども、誰しもが最後まで逃げずに向かっていく。 一つ一つのシチュエーションにすごく心奪われるような場面、或いは強烈なシーン等が特にあった訳でもないんだけど、 でも次々と変化する状況やその中での彼女達の苦悩、葛藤が、映画の中で流れるように進んでいき、そのキレイな(という言い方は妙だけど)「流れ」そのものがとても印象に残った気がする。 そしてなんと言っても、個人的にはモーリッツが重要人物として出演してた事にも満足(笑) パンフのクレジットが割と下のほうだったからそんなに期待していなかったら、結局中心となる女性メンバーだけでも4人いたから低めだったんだね。 敵側ドイツのゲシュタポ将校として、しかもずっとシリアスな人物として(これは日本公開の中で脇役以外では珍しいよね)、予想以上にたっぷり登場してくれた〜。 もちろん主役のソフィー・マルソーもほんと美しいし、ジュリー・ドパルデューもこれまた濃い役だったしw良かったっすよ^_^; 本国フランスでも今年3月に公開されたばかりの本作、現段階では日本の配給会社はついてないみたいだけど、普通に観れると思いますよ。 監督はロマン・デュリス版「ルパン」の人だね。この監督さんも今回の映画祭で来日、舞台挨拶で見たら想像よりおじいちゃんじゃなかった(笑) ![]() |
![]() 今年も東京・大阪で開催された『フランス映画祭』 東京会場:3月13日(木)〜3月16日(日) 大阪会場:3月16日(日)〜3月18日(火) 今回の長編映画・上映作品は以下の通りで、東京:13作品、大阪:9作品。 『ドーヴィルに消えた女』 (東京のみ) 『譜めくりの女』 (東京&大阪) 『バグズ・ワールド』 (東京&大阪) 『アストレとセラドンの恋(仮)』 (東京&大阪) 『屋敷女』 (東京&大阪) 『水の中のつぼみ』 (東京&大阪) 『秘密』 (東京のみ) 『パリ』 (東京のみ) 『暗闇の女たち』 (東京&大阪) 『食料品屋の息子』 (東京&大阪) 『娘と狼』 (東京&大阪) 『ディディーヌ』 (東京のみ) 『死者の部屋』 (東京&大阪) また沢山の関係者が来日され、東京ではトークしょーやサイン会など催されたんだけど、私が参加できる大阪会場では初日の初上映の前に全員がそろって登壇し、ちょろっと挨拶してくれるだけだし(笑)どうせなら映画のこととか色々話し聞きたいよねぇ。私たちだって。 3回目の開催となった大阪。今後こちらでもそういう予定ができれば良いのに。 今年は大阪は1箇所だけで、TOHOシネマズなんばで上映。 うち、私の鑑賞作品は5つ。初日以外2作品同時上映なので観れるだけ観てきた、ってやつ。 簡単な作品紹介をみて決めたんだけど、初日のゲストを観て選択を少し後悔。 チョイスしてなかった『アストレとセラドンの恋(仮)』のアンディー・ジレが超かっこいい!(爆) フランスの人気雑誌モデルで、役者としてはまだそんなキャリアがないらしい。 日本では本作で初お目見え。 舞台挨拶の後数人だけは会場の席に座ってその後の映画を鑑賞されたんだけど 彼もその中に。私の前の列の少し斜めあたりへ。愛想もめっちゃよかったよ。 巨匠エリック・ロメールの作品とはいえ、私コスプレ物はつい優先順位低くなっちゃうんだもん^_^; まぁこれは今年日本公開が決まってるし、また後日観れるしね(ほんとミーハーな私)。 とにかく、今回の私の鑑賞分の総括は、特別凄いよかった!というものには出会わなかったけど普通に満足して終わりました。 ![]() |
<LE SCAPHANDRE ET LE PAPILLON>2007年フランス/アメリカ(112分) 2008/2/9日本公開 監督: ジュリアン・シュナーベル 製作: キャスリーン・ケネディ,ジョン・キリク 製作総指揮: ジム・レムリー,ピエール・グルンステイン 原作: ジャン=ドミニク・ボビー 脚本: ロナルド・ハーウッド 撮影: ヤヌス・カミンスキー 音楽: ポール・カンテロン 出演: マチュー・アマルリック,エマニュエル・セニエ,マリ=ジョゼ・クローズ,アンヌ・コンシニ,パトリック・シェネ,ニエル・アレストリュプ,オラツ・ロペス・ヘルメンディア,ジャン=ピエール・カッセル 他 〔ジャンル:伝記/ヒューマン〕 雑誌ELLEの編集長だったジャン=ドミニク・ボビーはある日突然脳梗塞で倒れ、身体が動かなくなる“ロックト・イン・シンドローム(閉じ込め症候群)”となってしまう。 しかし彼は唯一動かす事の出来る左目の瞬きだけで言葉を紡ぎ、周りの協力を得ながら本を執筆する・・ その自伝を映画化した本作。 前半は特に、映像の大半がボビーの片目から見た世界。 病院のベッドで目覚めた彼は自分に何が起こったのかわからず、言葉を発しているはずなのに誰にも届かない。 そのうち片目を縫われ、自分の思うように動かせるのは残りの片目となる。頭は普通に働くのに、言いたいことも何一つ伝わらない。 華々しい自分の過去はもう戻らない。 彼の入院生活の様子と彼の記憶が平行して描かれる。 現在の絶望的な状況に、誰にもストレスを発散する事もできず一人苦悶するも彼は徐々に頭の中は自由である事に気付く・・ 心の苦悩やそこからの立ち直り、そして目で言葉を伝えるリハビリなど 決して大げさに盛り上げる事もなく描かれるけども、 逆にその淡々とした流れが、リアル感を持って伝わってくる。 そして、彼の状況や気持ちを比喩する映像がとても印象的。 潜水服で深海を彷徨う姿や蝶の舞う様子などはタイトルからも見えてくる通り主の部分だけど、氷山が崩れ落ちる様、そしてエンディングの復活する様が一番心に残った。 予想以上に静かな語り口な映画だったけどもじわじわと心に残るいい意味で重い作品だったと思う。 ちなみに本作の主演は本当はジョニー・デップがやる予定だったそうですね。しかし彼のスケジュールがなかなか都合が付かず、そうこうしているうちに、マチュー・アマルリックで撮る事になったようだけど。 ジョニーがやると当然ながらまたイメージも変わってきたんだろう。それに何よりも、本作を観る人が圧倒的に増えたんでしょうね(笑) 確かにジョニーは大好きだしフランス語もいけるし凄い役者だと思うけど、 でもマチューも大好きな曲者役者の一人なので個人的にはこの映画の雰囲気にマチューでよかったと思ってる。 【受賞メモ】 ◆2007年カンヌ国際映画祭 : ・監督賞 ◆2007年イギリスアカデミー賞 : ・脚色賞 ◆2007年放送映画批評家協会賞 : ・外国語映画賞 ◆2007年LA批評家協会賞 : ・撮影賞 ◆2007年ゴールデン・グローブ : ・外国語映画賞 ・監督賞 ![]() |
<BRODRE> 2004年デンマーク/2007年12月日本公開( 117分) 監督: スザンネ・ビア 製作: シセ・グラム・ヨルゲンセン 製作総指揮: ペーター・オルベック・イェンセン 原案: スザンネ・ビア, アナス・トーマス・イェンセン 脚本: アナス・トーマス・イェンセン 撮影: モーテン・ソーボー 音楽: ヨハン・セーデルクヴィスト 出演: コニー・ニールセン,ウルリク・トムセン,ニコライ・リー・コス,ベント・マイディング,ソビョーリ・ホーフェルツ,パウ・ヘンリクセン,ローラ・ブロ 他 〔ジャンル:ドラマ〕 穏やかな人柄で、当然妻と二人の子供とも仲良く暮らし、そして兵士としてエリートでもあった男ミカエルが、戦争の為赴いた異国の地から帰ってきたとき、まるで別人のようになっていた。 戦地でミカエルが死亡したと一旦聞かされていた一家は悲しみに暮れ、それでも前向きになんとか進もうとしていた。 それまで素行の悪かったミカエルの弟が、ミカエルの妻と子供を支えてきた・・ ****** スザンネ・ビアの描く戦争シーンってどんなのだろうなんて思ったけど、 交戦や何かが取り上げられるのでなく、話しのメインである状況が一変してしまった家族達の絆や葛藤、関係性を描く為、一人の人間が心理的に強烈な打撃を受ける要素を「戦争」で描いたという感じでしたね。 弟のヤニックとミカエルの妻サラの微妙な関係もどこか切ない。 超えてはいけない線の上で踏みとどまっているような様子が。 ミカエルの葛藤もほんとにキツイね。 本当に優しい人間だったからこそ、その罪の重さに耐えかねる。 問題の内容が深刻だし、確かにズシンとくる。が、同監督の中で考えると、映画そのもののパワー、、というか、作品として私の心に響きやすかったのは、他のものだった気がする。ってこれでまだ3つめだけど(笑) もしかしたら、この夫が戦争によって体験し苦悩した状況については、ほかに秀作がたくさんあるからなのかもしれないけど。 ![]() |
ドライヤー監督初のサウンド映画。 そして、人に噛み付く様子は一切出てこないヴァンパイア映画。 とある城に宿を取ったアラン・グレイ。そこはただならぬ気配が漂い、不可思議な人物たちが徘徊していた。 突如自分の部屋に訪れた老人は、謎のメッセージと、「自分の死後これを開いてくれ」とある物をグレイに委ねる。 そしてまもなくその老人は死に、例の荷物を解いてみるとそれはヴァンパイアに関する記述の乗った一冊の本だった・・ タダでさえ不気味な雰囲気漂うとある町。 人のシルエットだけがそこかしこを動き回る。 それは人間の魂であり、時折体から離脱し、また元にもどる。 老人の死後空けた本の内容は、現実の出来事とリンクする・・ 採血されたグレンは自らも不思議な体験をする。 グレンさえも魂の離脱が起こり、棺おけの中の自分を見つめる。 棺おけからのショットはとても印象的だ。 シルエットとしての魂の彷徨いだけでなく、全てのもののシルエット(影)がとてもインパクトがある。 へんな不気味さがジワジワと伝わってくる。 恐摩訶不思議な世界。どこからどこまでが、どうなのか・・。 台詞と音楽はあるものの、サイレント映画だったとしても その映像から十分満足できる。(そもそもまともな台詞は少ないし。) ![]() |
ジャンヌ・ダルクが裁判にかけられ火あぶりになるまでの様子を、 フランスに残る裁判記録をもとに、実際5ヶ月以上もかかった歳月を1日の時間軸で描かれた作品。 彼女が戦火の中活躍する姿ではなく、大勢の修道士に責められ 死と向かい合い、弱々しくも凛とした彼女の様子が捉えられる。 カール・Th.(テホ)・ドライヤー。カール・テオドール・ドライエル。等、 カタカナ表記だと色んな名を持つ監督さん^_^; 本作はサイレント映画の傑作のひとつと謳われてるものですね。 きっと他のどのジャンル・ダルクよりも、この映画で彼女の姿を知ることが(見ることが)できてよかった。深い根拠もなくそう思っているのです。。 30cm程の至近距離から登場人物の顔を捉え、そしてそれに見事にハマる役者達の幅広い表情(演技)。 すごく迫力がある。様々な感情がひしひしと伝わってくる。 出演者全てノーメークだそうだ。 ジャンヌ・ダルクを演じるのは当時モデルと舞台女優で活躍する方。 本作が唯一の映画出演だそう。 常に流すあの涙は全て本物で、彼女が自然と涙を流すまで監督は時間を取ったらしい。 火あぶりのシーンはほんとに特に引き込まれる。 彼女が生きている間は彼女の体と炎は別々のショットで撮られ、 煙だけが二つに共通するのだけど、彼女のその演技により、 映画の雰囲気により、今からだが燃えているのだと、リアルに伝わってくる。 そして、煙が充満する中それを悲痛な顔で見守る群衆、 既に焼死体となった彼女の体を一層の火が包み込み、その煙が延々と立ち込めるなか我慢の限界を通り越し暴挙となる群集と立ち向かう兵隊・・・ マジですごいです。 素人にとっては1920年代というこの時代にどのショットがどれだけ凄いことなのか具体的にはわからないけど、ただ一人の観客として、圧倒されるのは間違いない。 ずっと見たくて見たくて、でもレンタル屋にもなくリバイバルもなく悶々としていた中 とうとう昨年見たことないままDVDを買ってしまったというマイコレクションの一つ。 結局その後地元の隣県でこの完全版がリバイバル上映されたけどね(笑) まぁ、そんなもんだ。買った事に後悔はなし。 ![]() |
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| ◇◆記憶のキロク◆◇ |
まったり、のんびり、綴っていきたいなぁ。。人生もw
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